#025
リベンジ記念日。

3 Posted by - 2015年10月13日 - REPORT

バンコクの10月は雨季。街を歩く人の多くは、視線を下に向けている。雨で濡れないように。足元を確認するために。何よりも“上を見ても灰色の雲ばかりで、心が躍る光景はない”と無意識に決めつけているからかもしれない。

10月3日のPLAY YARDにおける小浦も、ほぼ下を向いていた。目線は常にスネア、タム、シンバル。10月4日の緊急ミーティングで、彼を藤田が一喝した。「顔を上げろ!景色が違うし、プレイも変わるから」と。小浦はそれを受け入れた。刻一刻とライブへの時間が迫る中、彼は復活と進化を諦めていなかったのである。

10月4日@STUDIO LAM。雨ということもあり、観客はごくわずか。異国の厳しい洗礼だ。しかも、音楽フェスのオーガナイザーから「多忙で来られない」と連絡が入った。モチベーションが下がってもおかしくない状況の中、彼らはライブを始めた。“ここで折れてたまるか”と自身を鼓舞させながら。

しかし、このライブはメンバーにとって忘れられないものになる。まず、小浦。顔を上げてプレイすることで、音、構成、グルーヴ、全てが変わった。様々な光景と情報が、彼に今までにない表現力と確固たる意志をもたらしてくれたのである。何より表情が違う。昨日の彼とは別人だった。そして藤田。ライブ終了後に「“こんな曲を形にしたい”という想いが叶った」と振り返った。Vahnも「得るものが本当に多かった」と手応えは上々。そして、リーダーの藤岡。開始前は「“またこのメンバーとやりたい”と思えるライブにしたい」と話していた彼は、終了後「また、このメンバーで絶対にやります」と宣言した。

ホテルに戻る道中、自身のプレイ音源を聴き返す小浦。笑顔で「音が昨日とは全く違う」とつぶやいた。しかし、満足はしていない。他のメンバーも同様だ。次は、全ての会場を観客で埋め尽くす。フェスにも必ず出る。目標と想いが統一された4本のパドルは、再び、Raftを前に押し進め始めた。これまで以上の推進力で。

01s_MG_1327

02s_MG_1333

03s_MG_1283