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“藤岡慶行”を取り戻すための原点回帰。

6 Posted by - 2014年7月8日 - INTERVIEW

ミュージシャンを志すことを決意した高校3年生の時から、謎の自信がありました。俺は絶対、1万人規模を誇るフェスのステージに立つ。ワールドツアーだって夢じゃない。要するに“超”がつくくらいポジティブな性格なんです。ベースも同様。俺ならできる。まだまだうまくなれる。限界を感じたことは一度もありませんでした。2013年の年末までは。

DOOKIE FESTAの新曲をレコーディングしていた時のことです。大丈夫か?俺。俺である必要がないのでは?…拭い切れない不安や疑問が次々に生まれてきて。フレーズを考える時も、何が自分らしいのか分からない状態。試行錯誤を繰り返すものの、暗中模索の日々…でも、転機は突然訪れました。あるミュージシャンのライブDVDを見た時、サウンドが持つ意志の固さに心を揺さぶられたのです。まさに青天の霹靂。こんな所で止まっていてどうする。まだまだ上があるじゃないか。そもそも、俺の可能性は無限大だろ。ベースで勝負することを決めた時の情熱が、ふつふつと沸き起こってきたのです。

一度、原点に戻ろう。その方法として思い浮かんだのが、今回のタイプロジェクトです。もともとワールドツアーは、高校3年生の時に掲げた目標のひとつ。自分自身も海外でプレイした経験はない。当時の夢に少しでも近づいて、何があっても突き進む自分を取り戻してやる。3日間という短い滞在ではありましたが、多くの貴重な収穫がありました。ハードロックで感じた、言葉の壁を乗り越える力。アドリブセッションを通じて味わった、音楽で異国の人たちと対話する喜び…。おかげで、謎の自信を取り戻すと同時に、新たに挑戦したいことも見つかりました。自分で言うのも何ですが“ベーシスト・藤岡慶行のこれからに期待!”ですよ。