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さらば、真面目ドラマー。

4 Posted by - 2014年7月8日 - INTERVIEW

「真面目だ」と言われて気分を害する人はほとんどいないでしょう。でも僕はグサッと来るんです。「遊び心がないし、小心者だ」と言われている気がして。事実、そんな一面がある自分が嫌でした。これまでも、ターニングポイントだと分かっていながら、失敗を恐れて踏み出せなかったことが何度もあります。一時期は“これが俺だから”と割り切ろうともしていました。でもドラマーとして生きていくためには、やっぱり変えないといけないもの。タイへの渡航を決めたのも、自身を改革するため。タイ人のラフさを吸収すれば、何か変わるきっかけをつかめると思ったのです。

3泊4日という短い滞在でしたが、自分の中に起きた変化と進化は想像以上でした。初日のハードロックと最終日のアドリブセッションにおける、ステージに立ってから演奏を始めるまでの様子を比較したら一目瞭然です。初日は持参したペダルに交換したり、シンバルの向きを入念すぎる程に調整したり。でも最終日は何も持たずステージに上がり、すぐ演奏を始められた。正直、他人のペダルは本当に踏みにくかったけど“なんとかなる”と思えた。失敗して恥をかくかもしれないけど、笑われて終わるだけだ…渡航前までの自分では考えられないことです。

帰国して感じるのですが“なんとかなる”という気持ちは、ずっと自分の中にあったものかもしれません。DOOKIE FESTAに加入した時もそう。他のバンドを組んでいたのに、DOOKIE FESTAのライブを観て心を奪われた。MCで「今はドラムだけサポートです」という言葉を聞いた時に“千載一遇のチャンスだ”と楽屋に飛び込んで「加入したい」と頼み込んだ。結果、ドラマーとしての人生は大きく変わりました。今回のタイが、僕の中でくすぶっていた思い切りの良さを呼び覚ましてくれた気がします。これから迎えるいくつものターニングポイントも、必ずモノにしてやる。いい意味で、将来が分からなくなってきました。