#012
混血バンド、結成へ
〜プロとして認め合う同級生〜

2 Posted by - 2015年4月10日 - REPORT

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振り返ると、このウェブマガジンへの最終投稿が9月11日。約8ヵ月ぶりの投稿になる。ここまで間隔が空いた理由は、次なるプロジェクトへの準備に向けて数多くのドラマがあり、今、やっと具体的なプランが固まったからである。今回は、その軌跡を振り返っていこうと思う。

2014年4月。タイから帰国した後、ミュージシャンは口々に「自身の潜在的な可能性を感じた」と話した。同時に、可能性をそのままにするだけでは、時間と資金のムダに終わることも認識していた。早急に次のプロジェクトを組もう。幾度も会議を重ねて辿り着いた結論は、新バンドを結成してタイで勝負する、というものだった。形態は、ベース、ドラムス、ヴォーカル、ギター。ベースは藤岡、ドラムスは小浦。藤岡がギタリストとヴォーカリスト探しを担うことになった。ギタリストは、バンド構想が出た時、すぐ彼の中に候補となる人物が浮かんだ。専門学校時代の同級生で、今は東京でプロのギタリストとして活動中の藤田義雄である。

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藤田を候補に挙げた理由はいくつかある。以前、ともにバンドを組んで活動したり日本のシンガーをサポートしたりするなど、旧知の仲であること。プロとしての意識が高いこと。何より、ギターのテクニックがズバ抜けていることだ。ひとたび聴けば「藤田義雄だ」と誰もが分かるほど旋律やリズムが独特であるだけでなく、どんな音楽も吸収する柔軟性も持ち合わせている。数年ぶりに顔を合わせ、彼にプロジェクトの詳細と情熱を伝える藤岡。藤田は彼にひとこと、「了解!」。藤田自身も、兼ねてからコンポーザーへの興味も抱いており、このプロジェクトは絶好の場になる。助っ人としてではなく、彼もミュージシャンとしての人生を賭けて参加を決意したのである。あとはヴォーカリストだ。しかし、意気込む藤岡を待っていたのは数々の困難だった。